未来の懐かしさをつくるのは、今である
先日、小学校時代からの友人の黒岩と会った時に、「懐かしさ」って何だろうという話になった。
俺ら二人は「音楽」がトリガーとなって懐かしさを感じることは共通していた。スピッツの曲の雰囲気や、ミスチルの一オクターブジャンプに懐かしさを感じるとかなんだで、盛り上がった。懐かしさのトリガーは人によって異なるのか、それとも定式化されていて、それを人は懐かしいと感じるのか結論は出なかった。
それにしても、「懐かしさ」とは不思議な感情である。
懐かしいってどういう感情のことを言うのだろう。
うーむ。
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懐かしさを感じると涙が出る。
涙が出て心がすっきりして、今ここにいる自分が抱いている悩みが
ちっぽけなものに思えたりするから不思議だ。
懐かしさとは、過去のことを思い出した時の感情。
でも「悪いこと」を思い出した時ではなくて、
「良いこと」を思い出した時の感情。そんな気がする。
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「懐かしさ」はとても良い感情だ。
だから、日常に疲れたら、意図的に「懐かしさ」を感じに行くのが良いかもしれない。
人によって懐かしさのトリガーは、ある「場所」だったり、ある「音楽」だったり、ある「人」かもしれないし、ある「食べ物」かもしれない。もしくは、それらすべてを同時に体験して初めて、懐かしいと感じるのかもしれない。そうした懐かしさのトリガーは誰の心にも必ずあって、そのトリガーを引くことで心は癒されるんだと思う。
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ふと、こんなふうに思った。
「未来の懐かしさをつくるのは、今である」
経済学における限界効用低減の法則のように、同じ懐かしさのトリガーを使い続けていると、懐かしさを感じなくなってしまうような気がする。懐かしさが心地よいからといって懐かしさに入り浸っていると、それは「過去の想起」ではなく「今の快感」だけになってしまうのではないか。
それならば、限られた「懐かしさの資源」に頼るだけでなく、新しい「懐かしさの資源」を作っていこうではないか。そんなことを考えていたら、思い付いたのがこの言葉。
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未来の懐かしさは、常に今この瞬間に作られている。
だからこそ、「今」というこの瞬間を大事に生きてゆきたい。
今を楽しむことが、未来の自分を支える糧になるから。
そして、今にちょっと疲れたら、懐かしさに入り浸ることも良し。過去へのノスタルジックな感情は、きっと、今の自分を後押ししてくれるから。